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インターネットの「冒険」と「宝物」
南 俊博
金沢学院大学経営情報学部助教授
96.07.19
(みなみ としひろ)昭和22年石川県生まれ。金沢大学卒、北陸先端科学技術大学院大学前期課程修了、同後期課程中退、工学修士、現CRC総研、金沢女子短期大学情報処理学科を経て平成8年現職。専門は情報科学。著書「COBOLプログラミング入門」
現在、インターネットやパソコンの話題が新聞や雑誌をにぎわしています。ここにアクセスされた方の中には、これらのニュースを見て、会社がインターネットを導入するからその勉強をしなければとか、パソコンぐらいは知らないと今後の情報化社会に乗り遅れるのでは、などとお考えの方も多いのではないかと思います。
インターネットは、本来学校や研究所が主体となって研究のために利用していたネットワークです。これが、画像の転送が標準の機能となり、安価なパソコンでも利用でき、民間の使用も許可されるに及んで爆発的な広がりをみせています。世界中距離とは無関係に通信ができ、通信料もLANからは無料ということもあって、今までは考えの及ばなかった新しい利用法が生まれても何ら不思議でない環境になってきています。
しかし、インターネットはどのような役に立つのでしょうか。この疑問に答えるにはこの世界はまだ成熟していないといった方がよいでしょう。もちろんこのことは現在話題になっている将来のバラ色の夢を妨げるものではありません。
新しい技術が出てくると既成の枠を打ち破る新しい発想がでてくるのが当然であり、現在はそれが氾濫している時期だと思われます。パソコンを購入してインターネットで情報の波乗りを行うと、山のような量のWeb情報の間を渡り歩かねばならず、その世界を渡るための舵取りは自分自身で行わねばなりません。新しいWeb情報は毎日のように作られ更新されています。従って、Web情報の群を渡り歩くことは一種の「冒険」をしているようなものと考えた方がよいでしょう。その結果、誰も知らない独自の情報を自分のものとする「宝物」を得ることができる魅力があります。
困ったことに、このようにして得られた情報は更なるWeb情報の更新によってすぐ陳腐化してしまう一面を持っています。また、このような混沌とした世界の中で必要な情報を探し出すには多大の労力を要します。人間はコンピュータと向き合って指令を出した後5秒以内に応答が返ってこないと精神的にイライラするといわれています。残念なことに、日本の現状では5秒以内でWeb情報の応答が完了することはまれです。すなわち、ネットワークの速度が利用方法に追いついていないわけです。従って、時間が掛かっても得たい貴重な情報を探し出したい場合には非常に有用ですが、Web情報から忙しいビジネスマンが必要な情報を速やかに探し出そうとする場合には向いているといえません。
最初からインターネットの利用によって即仕事に直結した利用法を見つけようなどと欲張らず、インターネットはまだ発展途上であると割り切って考え、気軽にネットサーフィンを楽しんでみてはいかがでしょうか。もちろんこの「冒険」の暁には思い掛けない収穫があるかもしれません。使用経験を積むことによって自分に有益な利用法を見つけることにもなるでしょう。また、現在のインターネットを利用した貴重な経験は将来ネットーワークが高速になり、新しいネットワーク社会が確立された暁に必ずや自分にとって大きな財産となることでしょう。
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